意見書
[2015年11月9日]
「手話言語法(仮称)」の早期制定を求める意見書
手話とは、日本語を音声ではなく手や指、体などの動きや顔の表情を使う独自の語彙や文法体系をもつ言語である。手話を使うろう者にとって、聞こえる人たちの音声言語と同様に、大切な情報獲得とコミュニケーションの手段として大切に守られてきた。
しかしながら、ろう学校では手話は禁止され、社会では手話を使うことで差別されてきた長い歴史があった。
2006年(平成18年)12月に採択された国連の障害者権利条約には、「手話は言語」であることが明記されている。
障害者権利条約の批准に向けて日本政府は国内法の整備を進め、2011年(平成23年)8月に成立した「改正障害者基本法」では、「全て障害者は、可能な限り、言語(手話を含む。)その他の意思疎通のための手段についての選択の機会が確保される」と定められた。そして2013年12月、日本政府は正式に条約を批准した。
また、同法第22条では国、地方公共団体に対して情報保障施策を義務付けており、手話が音声言語と対等な言語であることを広く国民に広め、きこえない子どもが手話を身につけ、手話で学べ、自由に手話が使え、更には手話を言語として普及、研究することのできる環境整備に向けた法整備を国として実現することが必要であると考える。
よって本町議会は、政府と国会が下記事項を講ずるよう強く求めるものである。
記
手話が音声言語と対等な言語であることを広く国民に広め、きこえない子どもが手話を身につけ、手話で学べ、自由に手話が使え、更には手話を言語として普及、研究することのできる環境整備を目的とした「手話言語法(仮称)」を制定すること。
以上、地方自治法第99条の規定により、意見書を提出する。
平成26年 9月25日
京都府相楽郡笠置町議会議長 西 岡 良 祐
提出先
衆議院議長 伊吹文明 殿
参議院議長 山崎正昭 殿
内閣総理大臣 安倍晋三 殿
総務大臣 高市早苗 殿
厚生労働大臣 塩崎恭久 殿