中等度以上の難聴者の補聴器購入に対する公的制度の実施を求める意見書
[2025年2月25日]
難聴は日常生活を不便にし、コミュニケーションを困難にするなど、生活の質を落とす大きな要因となっている。最近では、難聴により会話等のコミュニケーションが減り、脳の萎縮や認知機能の低下をもたらし、うつ病や認知症の危険因子になることも指摘されている。
現在、国では、障害者総合支援法に基づく補装具費支援制度により、補聴器の購入に要する費用の一部を支給しているが、制度の対象は聴覚障害の身体障害者手帳の交付対象となる高度難聴以上(両耳70デシベル以上、または片方の耳が90デシベル以上で、かつ他方の耳が50デシベル以上)となっており、中等度(41デシベル以上60デシベル以下)以上の難聴者は対象外となっている。しかし、国連の世界保健機構(WHO)では、中等度難聴からの補聴器の装用が推奨されている。
今後、補聴器がさらに普及することにより、生活の質を落とさず、心身ともに健やかに過ごすことができれば、認知症の予防、健康寿命の延伸、ひいては医療費の抑制にもつながる。
よって、国におかれては、補装具費の支給制度の対象とならない中等度以上の難聴者の補聴器購入に対して、公的補助制度を実施されるよう強く要望する。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
令和6年10月3日
衆議院議長 様
参議院議長 様
内閣総理大臣 様
財務大臣 様
総務大臣 様
厚生労働大臣 様
内閣官房長官 様