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笠置いこいの館に係る訴訟の結果報告について

[2023年3月4日]

笠置いこいの館に関する指定管理料の返還に係る訴訟について

 笠置いこいの館の指定管理料の返還等に関する訴訟(令和2年(ワ)第31312号 不当利得返還等請求事件及び令和3年(ワ)第3486号損害賠償請求事件)について、令和4年12月26日に和解が成立しましたので、その経緯等を報告します。

1.訴訟の経緯

 笠置いこいの館に関する指定管理料の返還に関し令和2年6月3日に、住民監査請求が提起され、監査委員による監査の結果、訴訟の手続きを取るよう勧告されたため、令和2年10月19日に(株)フェイセスに対し、不当利得返還金7,000,000円及び令和2年1月30日から支払済みまで年5%の割合による金員の支払い、並びに未払いの水道使用料1,204,252円の支払いを求め提訴しました。
 一方、(株)フェイセス側からは、令和3年12月21日に本町に対し、笠置いこいの館の設備に不備があったとして、損害賠償金として36,095,892円の支払いを求める反訴状が提出されました。

2.審理の経過

 平成31年度の指定管理料及び未納分の水道使用料の返還については、赤字補填に充てることが双方の間で合意されていたかどうかについて争いましたが、赤字補填を合意した事実はないことを主張し、全面的に争ってきました。

 また、(株)フェイセスからの損害賠償請求については、「温泉設備機器が完璧ではなかったものの、日々のメンテナンスを適切に行っていれば不具合は防げたが、経費削減を理由にスタッフの人員削減を行い、十分なメンテナンススタッフを配置しなかったことに、不具合が起きた原因がある。」と主張して全面的に争ってきましたが、裁判所からの和解勧告があり、顧問弁護士とも協議を重ね熟慮した結果、以下の4点の事項を総合的に考慮し、裁判所からの和解勧告を真摯に受け止め、双方とも請求を取り下げる和解に応じることとしました。


1.指定管理料については、月額を定めておらず、その一部を返還するよう請求しても認められない可能性が高い。

2. 請求が認められたとしても、指定管理料12,000,000円は赤字補填として消費されており、(株)フェイセスは不当利得として請求すべき利益を有していない。

3.(株)フェイセスは、会社自体を清算中であり、勝訴しても支払いを受けることは困難。

4.水道使用料については、被告が負担すべき債務であるが、被告から町への損害賠償請求が裁判所により認められる可能性があり、未納分の水道使用料と町に対する損害賠償額とを比較すると町が負担すべき損害賠償額が多額になると予想される。

3.和解条項(内容)

・原告は、本訴を取り下げ、被告は、これに同意する。

・被告は、反訴を取り下げ、原告は、これに同意する。

・原告と被告は、原告と被告との間には、本件を含め「笠置いこいの館」の指定管理に関し、何ら債権債務がないことを相互に確認する。

・訴訟費用は各自の負担とする。

 ※原告⇒笠置町   被告⇒(株)フェイセス

4.訴訟にかかった費用

3,069,000円(弁護士費用、収入印紙)

5.町の考え方と対応

 笠置いこいの館については、開業以来、経営継続のための部分修繕を繰り返してきましたが、温浴施設の大規模なリニューアルや設備全体の計画的な改修が長年にわたってなされてこなかったため、(株)フェイセスからの損害賠償請求につながったものと考えています。

 今回の民事訴訟に関しましては、指定管理者との協定の内容や指定管理料の支払い方法などが問題とされ、今回の訴訟につながったと考えております。今後は、契約内容や支払い方法などについて、その内容を十分に検討して適正な事務を行ってまいります。

 また、今回の和解により水道使用料の請求権を放棄しましたが、その法的な処理については民事上の債権処理に関する町の条例が存在しないため、速やかに条例整備を行い適切に処理することといたしております。

 行政といたしましては、今回の訴訟の結果を真摯に受け止め、笠置いこいの館が町民全体の財産であることを念頭に、適切な管理・運営を図り、住民の皆さまはじめ、ご利用されるお客様に愛される施設としての再建を目指したいと考えております。


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